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2017年7月23日 (日)

人類学関連学会協議会合同シンポジウムにて発表しました。

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2017年7月17日、第12回人類学関連学会協議会合同シンポジウム「人、自然、テクノロジーの共生に向けて ―人類学の挑戦―」にて、「被災地の復興と生活文化をめぐる軋轢 ―宮城県・牡鹿半島における文化創造と安全―」と題して、日本民俗学会を代表して発表してきました。(会場:コラッセふくしま)
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12回 人類学関連学会協議会合同シンポジウム(公開)

開催日時 2017717() 午後

場所   コラッセふくしま(福島県福島市)

 

人、自然、テクノロジーの共生に向けて:人類学の挑戦

 世界の各地で、人種、民族、国家、言語、宗教、さらには、性、世代・年齢、富、学歴などの違いから様々な軋轢(コンフリクト)が生じている。このような人と人の間の軋轢だけでなく、大規模災害のように自然の脅威が人の生活を危機に陥れたり、逆に、人が自然を破壊に導いたりすることもある。自然の一部である野生動物と人の間にもさまざまな軋轢が生じている。さらに、人が創り出してきた現代のテクノロジーは、人々の暮らしに深く入り込んではいるが、人の暮らしと調和しているものばかりではなさそうである。人とテクノロジーの間には、すでに様々な軋轢は見え隠れしており、さらには近い将来においては、もっと大きな軋轢が生じるかもわからない。

過去において、人は様々な軋轢を経験している。しかし、いつも目の前の軋轢を解決するために、共に暮らすあり方を模索し続けてきたことも事実である。

 さまざまな軋轢を乗り越えるために、人と人が、人と自然が、さらには、人と新たなテクノロジーが、共生するために模索してきた過去を、あるいは模索している現代を、さらには、模索する必要が出てくるであろう未来について、今、福島の地で語り合うことは、とても意味のあることであると思う。多様な共生の在り方を模索できるのが人であるということを再確認したい。

 

講演の構成

司会/趣旨説明 中道正之(大阪大学大学院人間科学研究科・教授/日本霊長類学会会長)

講演:125分×5題、休憩10

1. 諏訪 元(東京大学・総合研究博物館・教授/日本人類学会)

「長期進化からみたヒトの特徴について」

2. 岩永 光一(千葉大学大学院工学研究科・教授/日本生理人類学会)

「テクノアダブタビリティ」

3. 森田 敦郎(大阪大学大学院人間科学研究科・准教授/日本文化人類学会)

「図と地の反転:環境変動の時代の文化人類学と科学技術

4. 加藤 幸治(東北学院大学文学部・教授/日本民俗学会)

「被災地の復興と生活文化をめぐる軋轢――宮城県・牡鹿半島における文化創造と安全――

5. 伊沢 紘生(宮城教育大学名誉教授・宮城のサル調査会会長/日本霊長類学会)

「サルから見た天災と人災――東日本大震災を例に――」

 総合討論:30分 

 

 講演内容

講演1(諏訪):講演者本人がアフリカで発見した約400万年前に生存していたラミダス猿人から現生人類までの人類進化史を概観しながら、人類の攻撃性と協力性の進化について、話題提供する。

講演2(岩永):人間の基本的な生理的特性を満たす科学技術は人間の幸福や繁栄につながるが、他方、人間と調和しない技術は人間のストレスとなる。テクノロジー(技術)とアダプタビィティ(適応能力)をつなぎ合わせたテクノアダプタビィティをキーワードとして、ヒトに幸福をもたらしたり、ストレスとなったりする技術とヒトの関係性を整理し、解説する。

講演3(森田):地球温暖化などで、気候変動が進行し、自然そのものが急速に変化しつつある。このような自然の急激な変化が文化に与える影響を理解するために、文化人類学と科学技術との間にどのような新たな関係が必要なのかを考える。

講演4(加藤):東日本大震災の被災地に暮らす人々は、新しい道や建物が建ち始めても、以前の地域像とは乖離したものになっていくことに戸惑い、過去のくらしとの地続き感への希求は切実である。被災地に暮らす人々の環境や自然、歴史、テクノロジーへの理解と葛藤を紹介しながら、文化における「より良い復興」について考える。

講演5(伊沢):アフリカでチンパンジーを、南米でオマキザルなどを、日本ではニホンザルを、その地域に生きる人々と共に見てきた経験から紡ぎ出される人と野生動物の関係を、特に、「サルから見た東日本大震災」という視点で語る。

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