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2016年1月21日 (木)

研究発表します(「被災文化財を展示する」)

1月21日に東北歴史博物館で開催される国際ワークショップで発表します。ただしクローズドです。
国際研究ワークショップ「地域文化の再発見とその活用の方向性」
 (基幹研究プロジェクト「日本列島における地域文化の再発見とそ表象システム構築にかる事前調査」)

期日:2016年1月19日~1月24日
2016 年 1月 21 日(木) 会場:東北歴史博物館
 震災後に神楽師であり続ける:雄勝の復興における民俗芸能位置を考える
  (小谷竜介 東北歴史博物館)
 地域文化の視点から被災これまでを考える:宮城県南三陸町戸倉波伝谷場合
  (政岡伸洋 東北学院大学)
 被災文化財を展示する: 「牡鹿半島・思い出広場」の取組みから
  (加藤幸治 東北学院大学)
 今後の研究可能性についてコメント
  (黄貞燕 台北芸術大学)
 研究課題「日本列島における地域文化の再発見とそ表象システム構築」展望ついて
  (日高真吾 国立民族学博物館)

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報告要旨から

 東日本大震災から5年が経過しようとしている。被災地では、復興の進展の格差をはらみつつ、嵩上げ工事によってかつての生活空間が見えなくなると同時に、さまざまな施設の建設が急ピッチに進んでいる。徐々に現実のものとして見えてきた復興後の地域のすがたは、都市近郊のニュータウンのような街区と、流行りの道の駅のような商店街で構成されており、生活再建への大きな希望を抱かせると同時に、浜のかつての風景とのかい離に違和感を覚えるといった声も聞こえてくる。被災地では、比較的大きな交流施設や行政施設、慰霊碑や記念公園などが、集落の再結集のシンボルとして計画されており、とりわけミュージアムはその機能を期待されている。
 博物館展示や民俗誌は、かつてのくらしを現在の生活と地続きのものとして描き、未来を展望するといった目的を本来的に持っている。発表者は、文化財レスキューによる復旧段階からミュージアムの復興までの、“ポスト文化財レスキュー期”における継続的な地域へのかかわりを通じて、展示や民俗誌の意義について考えている。保全作業を終えた被災資料は、単なる生活文化の痕跡として存在するのみならず、新たな意味を生み出す媒介としての役割を担いはじめている。
 東北学院大学ではこれまで、被災文化財等救援事業からその後のコレクションの復旧作業に至るまでの作業を学生とともに実施してきた。資料の復旧と同時に展開してきたのが、被災地で復旧を終えた民俗資料や古写真を展示し、地域の方々からそれらを見て思い出されるかつてのくらしのエピソードを聞き書きによって記述する調査である。身近な生活の場面が、意味を持って回顧され、そのイメージの集積によって描きうる生活のすがたを、展示や民俗誌、民俗写真集として地域にフィードバックし、そこでまた新たな聞き書きを行う。これが「牡鹿半島・思い出広場」プロジェクトである。シンポジウムでは、現在進行形の活動について概要を報告しながら、そこで描きうる地域像と地域のこれからについて考えてみたい。

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